8月20日(水)に2学期始業式が行われました。暑熱対策のため1学期終業式と同様、各教室にて本校配信スタジオ(EAST LAB)より、オンラインで行いました。まずは、夏休みに行われた各部活動の結果報告を部活動代表者が行い、文化部の表彰式を実施し、その後始業式が行われました。

 

以下は、始業式の校長あいさつ全文です。

 

「おはようございます。短い夏休みでしたが、有意義に過ごせましたか?

長い2学期が始まります。

この2学期の始まりは、9月3日から5日東雲祭に向かってスタートを切ることになります。生徒会の皆さんの頑張りと、全校の盛り上がりに期待したいと思います。

さて、この長い2学期を始めるにあたり、大切にしてほしいことを4つ伝えたいと思います。

 

一つ目は、夏休みの間に、教室の時計の横に掲示してもらいました。気づいた人もいるかと思います。

教育学者であり哲学者である森信三氏の言葉、『時を守り 場を清め 礼を正す』について紹介します。

『時を守り』は、時間・期限・約束を守ることです。最も基本的なことであり、信用や信頼を得ることに繋がります。

『場を清め』は、清掃・整理整頓、環境を整えることです。心を磨き、気づく人になれる。さらには感謝の心が育ちます。

『礼を正す』は、挨拶をすること、返事をすること、服装や姿勢を正し、人間関係を構築する基本となります。

これらのことを大切にし、当たり前のことがきちんとできるよう、互いに高め合いましょう

 

二つ目は、『自立への道程』についてです。

誰もが「なりたい自分になれる」ということを伝えたいと思います。

他人と環境は変えられないが、自分は自分の思うように変えられる。なりたい自分になれるのだと。そのためには、

まず、そうなると心に決める。つまり、志を立てる。

次に、現在の自分のありようを正しく知る。

そして、必要な考え方、姿勢・行動に挑戦し、修正しつつ、継続して進んでいく。もちろん、最短で進むのが理想だが、自分に必要な迂回路も自然体で準備されている。あせらず。今の自分の最善を選択し、大胆に挑戦していくことが大切です。

これは、私が、これまで出会った多くの生徒に伝えてきた言葉です。

意識を変えると、行動が変わる

行動が変わると、習慣が変わる

週間が変わると、人格が変わる

人格が変わると、運命が変わる

アメリカ合衆国の哲学者・心理学者のウィリアム・ジェームズの言葉だと言われています。この言葉のとおり、自分自身で意識・心を変えて「なりたい自分になる」のだ、自分次第なのだと伝えてきました。

野村監督の名言集では、もう少し詳しい言葉となっています。

最近の話題では、7月29日、アメリカ大リーグのシアトルマリナーズで活躍したイチロー選手が、日本人選手として初めてアメリカ殿堂入りを果たしました。その表彰式典での英語スピーチで「but goals can be possible」と語っておられました。イチロー選手も、なりたい自分になれることを伝えていると感じました。その部分を日本語訳で皆さんにも紹介したいと思います。

『もし昔の作文を書きなおせるなら、「夢」ではなく「目標」という言葉を使ったと思います。夢は、必ずしも現実的ではありません。でも「目標」は、深く考え、たどり着く道筋を立てれば実現可能なものです。夢を持つことは誰にでもできます。でも、目標を持つことは困難で、挑戦が伴います。ただ「やりたい」と言うだけでは足りません。本気で何かを達成したいなら、それを実現するために何が必要かを、真剣に考えなければなりません。』

(中略) 『ゴールを持ち続ける中で、「継続こそが達成の土台になる」ということも理解しました』

(中略) 『日々、小さなことを積み重ねていけば、達成できることに限界はありません』

この東高での時間は、なりたい自分になるための訓練期間です。日々、挑戦し、継続し、成長し続けてほしい。すなわち『自立への道程』です。

 

三つ目は、『学び』を『知識』に高めることを目指して欲しい。ということについてです。

『学び』は、皆さんの「知りたい、わからない」から始まります。この「知りたい、わからない」は、先生方の大好物です。先生方はわからせるプロですから、みんなから出てくる「わからない」を必ずや「そうか!なるほど!わかった!」まで導いてくれるはずです。これは、予習から授業の流れで実践します。生徒の皆さんの勤勉さと積極性が重要になります。これが『学び』の筋トレにあたります。

次に、「そうか!なるほど!わかった!」を「知っている、できる」まで成長させてください。その日のうちに確認・復習すること、予習から授業そして復習へのサイクルで実践します。生徒の皆さんの継続する力と主体性が重要になります。これが『学び』の基礎練です。

そして、「知っている、できる」を「使える、知っていることを組み合わせて考えを深める」ところまで引き上げることが目指すところです。これは定期試験や模擬試験に本気で取り組み、見直し、課題を足掛かりに繰り返し定着するまでやりぬくことで実践します。これが『学び』の練習試合です。

運動部の強化と同様に、筋トレ、基礎練は毎日欠かさず、練習試合は本気で臨み、力をつける。生徒の皆さんには是非、『学び』を『知識』に高めることを意識して、目指して欲しいと願っています。ただやるか、本気でやるかのどちらかです。

3年生!

実りの秋という言葉がありますが、本番は1月からです。毎日をじっくり、しっかり取組むこと。現役生にとっては、年末・年始に手ごたえをつかむための「仕込みの秋」です。

授業や、細切れの時間を有効に活用しましょう。切り替えと集中を意識して日々の努力を積み上げましょう。

 

最後に。

自分自身がつかう『言葉』を大切にしてください。

自分の言葉は、自分自身の心に最も響きます。自分以外の何か、誰かに対して発した言葉であっても、必ずその言葉は自分の頭の中で反響します。自分の脳に大きな影響を与えます。悪い言葉で自分の心は疲れ、良い言葉で自分の心は和らぎます。

乱暴で残念な言葉使いは今すぐ止めて、意識して、よい言葉を口に出すよう心掛けましょう。

澤田生徒会長が、生徒の皆さんに何度も伝えていたように、まずは「あいさつ」を。そして、感謝の「ありがとう」を、たくさん口にして、素晴らしい2学期をスタートしましょう。」

 

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